春の和菓子 大特集: 和菓子を感じる



2008年07月20日

和菓子の和三盆が洋菓子に

和菓子の砂糖の一つに和三盆というものがあります。

このブログでも何度か取り上げました。

その繊細な甘さと舌触りは、やはり和菓子を引き立たせるものですね。

しかしどうして和三盆という名前なのでしょうか?

考えてみると不思議な名前ですね。

なお、「和三盆」という名は、「研ぎ」という作業に集約されており、「盆の上で三回研ぐ」ことからついた名前とされています。

現在では、昔より白い砂糖が好まれているため、4回〜5回は研ぐそうです。

ではその研ぐという作業はどのようなものなのでしょうか?

粘土をこねて空気を抜く過程の動きと似ているように思えるものです。

伝統的な「研ぎ」は、全くの手作業で行なわれます。

手に水をつけて、砂糖の中に残っている蜜を搾り出すようにしてこねます。

タダこねればよいというわけではなく、品質を均一に保つためには、室内の気温・湿度や研ぐ時間にまで気を配る必要があるため、相当な熟練の技が要求されます。

この研ぎという作業で、和三盆は白い色に仕上げられます。

これまで述べてきたように、和三盆は貴重な砂糖ではありますが、近年のグルメブームでその価値が見直され、和菓子一辺倒だった用途にも、大きな変化が訪れています。

一般家庭では、料理に使用する方が多くなっています。

高価なため、あまり普及していなかったのですが、ちょっとした贅沢品として活用されています。

好みの分かれるところではありますが、コーヒーや紅茶に入れられることもあります。

また、洋菓子に用いられるようになったのは、特筆すべきことでしょう。

ただし、高級なものに限定されます。

和三盆は白砂糖のように量産できるものではありません。

やはりそれだけ値段も高くなってしまうのですね。
posted by けんしろう at 22:50 | Comment(1) | TrackBack(0) | 和菓子を感じる
2008年04月12日

春の和菓子 和菓子への思い

和菓子を感じる

 
人間の五感は視覚、味覚、触覚、臭覚、聴覚で、食べ物に限らず人間はこの五つの感覚で生きています。

日本人は古来からこの五感で感じることを重要視してきました。
和菓子もこの五感によって感じることで、美味しさをましていきます。

和菓子の五感。
視覚=目で見て美しい、美味しそう。
味覚=食べて美味しい。
触覚=舌ざわりや手で持つ、切る時に感じる味わい。
 
これらは全ての食べ物共通ですが………

残るふたつ……嗅覚と聴覚には和菓子特・のものがあります。

香りはすべての料理に必要な感覚です。
鼻をつまんで、香りを感じないようにして、料理を食べてみると、なんとも味気ない感じがします。

和菓子はそれほど嗅覚にうったえるものはないように思いますが、どうですか?
嗅覚に訴えるものはなにか?
和菓子の香りは天然のめぐみである、米、小豆、芋、ニッキ、ショウガ、ハッカなどから生じる『ほのかな香り』です。
このほのかな香りを感じて味わうことができるのは日本人ならではかもしれません。

日本人は世界一嗅覚が勝れている民族です。
平安の昔、暗夜で衣にたき込めた香の臭いでその人を認めたり、香道、香合せなども日本人の独特の臭覚の敏感性を示しています。
かすかな香りを和菓子から感じ、そして食べる、その過程が和菓子では大切です。
まるで時間がゆっくり流れているように感じるはずです。

同時に、このほのかな香りは日本の茶との共存を生み出しました。
茶の香りを超えず、それでいて静かな主張があるほのかな香り。
ならばこそ共に生かしあうことができるのです。
和菓子を口にいれ、その後、茶を口に入れたときに和菓子の口の中の味をさらに引き出すのが茶です。
ここに日本人の共存の意識を感じられます。

 聴覚は食べ物を味わう時の音のことで、たとえば、せんべいの様に食べたときのあのバリッというような音が味覚を助長するということですが、和菓子の場合はこの聴覚の楽しみを菓銘に求めています。
おおよそ、全ての和菓子には「銘(名前)」がつけられています。
それも花鳥風月、四季、和歌、俳句、歴史、郷土などに基づいた菓銘がつけられています。
和菓子の意味を銘によって知り、五感すべてで食べる、その所作をすべて計算して、和菓子は作られます。

和菓子屋で菓銘をお聞きになって日本を味わってはいかがですか。

きっとご自身の五感が研ぎ澄まされ、和菓子へと意識が集中していくことがわかると思います。

posted by けんしろう at 23:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 和菓子を感じる